リスクマネジメントの取り組み

ゆうあい幼稚園(2015年4月)

 

ゆうあい幼稚園 気づきメモの取り組みから

 

 ゆうあい幼稚園は、どこまでも広がる空の下、光いっぱい、風がいっぱい、自然いっぱいの幼稚園です。元気な子どもたちの声が園内に響き渡っています。平成19年4月より広い敷地と自然いっぱいの新園舎になってからは、子どもたちの行動範囲も広くなり、より一層、職員の事故防止への意識が重要になりました。

 

気づきメモの取り組み

 幼児が発達成長していく過程で『転倒』、『衝突』はよくあることですが、小さな事故の背景にある大きな事故に繋がりかねない危険に、職員が気づき、防ぐために、リスクマネジメントの取り組みの一つとして『気づきメモ』を職員で出し合ってきました。そして、これまで行ってきた『気づきメモ』の集計をもとに、子どもたちが主に活動する『保育室』『遊戯室』『園庭』の3か所について予測される事故と事故を起こさない為の対応をリストアップし、職員全員に配布して確認をしています。

 

(例)
場所 予測される事故 事故を起こさない為の対応
保育室 ・物につまずいて転倒 ・おもちゃが散らばってないか、整理整頓を心がけ、園児にも片付けながら遊ぶことを一緒に行いながら伝える。また散らばり過ぎるようなら遊び方も配慮し、場所の設定など工夫する
遊戯室 ・走っていて転倒 ・鬼ごっこなど走って遊ぶ際には、前を見ることや他児も走っていることを伝えていく。

・靴のかかとを踏んでいないか、サイズがあっているか注意する。

・保育の設定では、人数やルールを考えて行う。

園庭 ・手を引っ張って脱臼 ・手をつなぐ際には、相手を引っ張り過ぎていないか気をつける、また引っ張るとどうなるかを伝える。

 

 しかし、幼児の事故は予測のつかない場合もありますので、常に「○○が起こるかもしれない」という意識を忘れずに子どもたちが安心できる過ごし方はもちろん、環境設定や園での過ごし方や大事な約束をどのように伝えるかを考えています。

 それでも事故は起こります。その時に大事なのは、誰かに責任を問うのではなく、子どもたちがどのようなケガをしやすいのか、施設設備や保育環境(人的、物的)、職員の把握の仕方など事故の要因はなにかを分析し、事故がなぜ起こったのかを見直すことで、その後の事故防止につなげていっています。

 また、職員が集まって毎日行う打ち合わせの中で、その日の事故を報告し、日々成長する子どもたちの様子に合わせて、新しい気づきについても確認し、職員の意識を高められるようにしています。

 

今後の課題

 子どもたちは毎朝、「〜ができるようになりたい」「〜して遊びたい」「〜に挑戦してみたい」「〜を楽しみたい」というような思いを抱いて、幼稚園に登園してきます。そして、実際に「やってみよう!」としたときにちょっと失敗してケガをしたり、やりすぎてケガをしたりします。幼稚園で日々起こる小さなケガの多くは、子どもが育つからこそ起きるケガとも言えます。また小さな事故の裏には大きな事故が潜んでいるということも事実です。そう考えると、『成長』『発達』『安全』を1つのセットにして考えることが幼児期の事故防止を考える上でとても大事になってきます。

 今後は若手職員もベテラン職員も職員全員が同じように、子どもの育ちや変化を的確にとらえ、当たり前のように見える小さな事故の裏に大きな事故が潜んでいることに気づき、事故が起こった時に素早く的確な対応ができるようにしていくことが課題です。

 保護者の方から、大切なお子さんの命をお預かりしていることを忘れず、これまで同様事故を起こさないように意識を高めながら、安心して通園していただける幼稚園を目指して、安全対策を行っていきたいと思います。

 

(2015年4月 ゆうあい幼稚園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。