リスクマネジメントの取り組み

小委員会活動報告5

 

小委員会活動報告 その5

 

成年期未満通所系事業所

 

はじめに

 

 成年期未満通所系事業所は3つの保育園、幼稚園、児童発達支援センター、児童発達支援事業の6か所と函館地区の診療所で構成されており、利用されているほとんどは就学前の幼児です。毎回、各園での取り組み、起こった事故、それに対する対応を報告しあっています。内容は、子どものケガから、個人情報の取扱い、感染症の罹患状況、地震など非常時の対応についてなど、「リスクマネジメント」という括りをつけても広範囲に渡っています。

 

「注意の視点」について

 

 小委員会での話し合いを進めていく中で、幼児期特有の原因もありますが、支援者の注意力不足、リスク管理の不十分さ、慣れ、連携不足という、支援者側による事故の対応について話題がたびたびあがり、平成24年度は「注意の視点について」の統一のマニュアルを作成しようということになりました。

 保育室、ホール、廊下や玄関などの場所、室内遊び、戸外活動、散歩時、食事時など、毎日の生活や活動の中で、どのような視点で子どもたちの様子を把握するのか、職員間で共有できるかを探っていきました。しかし、職員の人数、勤務体制、勤務条件、室内外の施設環境など、それぞれの施設に特色があり、簡単にはいきません。それでも、新人、新任の職員に対して安全に対して配慮してほしいこと、分かりやすく、しっかりと読み込める物がほしいという点で共通した思いは変わらず、その部分に特化したマニュアル作成に絞り、非常に分かりやすかった、児童発達支援センターで利用している事故防止・事故対応マニュアルを参考にし、「注意箇所」「注意の視点」「事故が起こった際の対応」について、各園でまとめていくことにしました。それらを基に更に話し合いを重ね、最終的に各園でのマニュアルを提出することができました。

 

まとめ

 

 6か所の施設を合わせると、子どもの人数は500名近くになり、大きな事故は少ないのですが、小さな事故は毎日のように起きています。子どもの育ちと安全の基本について、職員間で共通認識が持てているか、安全のために作られたルールについて、子どもの姿と育てていきたい力を考慮しているか、子どもの安全について、どの場面でもフォローしあってかかわっていくことが職員間の共通意識になっているか。遊びたい思い、挑戦したい気持ちを大切にしながら、子どもたち自身が安全に対する意識が、芽生えていくような取り組みを、職員が一丸となり、毎日子どもたちとかかわっていきたいと思っています。

 

(2013年11月 小委員会)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。