リスクマネジメントの取り組み

当別保育園 (2011年8月)

 

当別保育園の取り組みから

 

 当別保育園では山、川、海と豊かな自然に囲まれ、子どもたちはその自然の恩恵を受けながら元気に毎日を過ごしています。 その豊かさゆえに注意しなければならないことについて、職員間で共通事項として認識し、日々連携を取り合っています。 そして、生活の場として過ごす子どもたちにも、どうかかわっていくか、伝えています。

 

 例えば「虫」。モンシロ蝶、アゲハ蝶は卵からその成長の様子を間近に見ることができます。 セミの幼虫が出てきた穴を見つけ、それをたどって抜け殻を発見したり、羽化する瞬間に遭遇することもあります。反面、毛虫やクモ、アリなど日常生活の場にも 侵入してきます。そばからすぐに離れる、大人に伝えるなどしていくように、見つけた際に自分の身を守るように伝えています。 薬剤や殺虫剤などの安易な対応では誤飲など別のリスクも考えられます。毎朝、点検を行い、丁寧に清掃することで気づいたことや、発生した場合は、対応した点、 場所など伝え合っています。

 

 また、園周辺の「草花」。春の雪解けとともにフクジュソウ、ふきのとうが顔を出し、三つ葉やしろが芽生えます。よもぎの新芽を摘み取り「草もち」にして食べるのが楽しみです。 しかし、摘み取った草花を思わず口に入れようとしたり、思いもよらない行動をすることもあります。とげのある木、触ったらかぶれる草、虫がよく付く葉、 成長したら食用できない山菜など、大人がわかっていないと、伝えることもできません。一緒に遊びながらも危険が潜んでいる意識を常に持つことが大切だと感じています。

 

 そして、散歩コースは園の目の前に広がる海岸、横たわる野原、そびえたつ山すそです。数分歩いただけで到着しますが、その数メートルの道を横切る車のスピード、歩道の幅は子どもが通ることを想定していません。 散歩に行く際の注意事項をまとめた「保育活動マニュアル」や新年度当初に行われる「交通安全教室」を参考に、交通安全を伝えながら、保育士より先を歩かない、 一時停止する箇所を確認する、全員が揃ってから押しボタン式信号のボタンを押すなど、全職員がしっかりと周知、把握するよう、散歩しながらも一緒に確認しています。

 

 日常当たり前に過ごしている場所、通っている場所を危険という視点で意識して見ると、気づく部分がいくつもあります。恵まれた自然の中、 のびのびと安全に活動できるよう、子どもと一緒に「自然の中で生活している」ことを意識し、職員全体の意識を高め、その意識を持続して一人ひとりの 危機予知能力を向上できるようにしていきたいと思います。

 

(2011年8月 当別保育園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。