リスクマネジメントの取り組み

おしま屋 (2010年12月)

 

おしま屋気づきメモについて

 

 おしま屋は平成3年に開設された知的障害者福祉工場です。定員20名で弁当の製造販売を行っております。 福祉工場は一般の企業と同じ扱いの事業所であるため、障害を持った方と正式に雇用契約を結び、最低賃金の保証、社会保険等の加入が原則になっており、 労働者として自立した地域生活を送ることを目的としております。

 弁当の製造は食品を扱い、調理を行うことから、様々な要因がヒヤリハットに成りうるのですが、危険だからといって、取り扱わないわけには いきません。又、食品を扱う上で、最も重要なのが、安全・安心な食を提供することです。福祉施設としての「気づきメモ」は転倒の可能性や障害物でのつまず きなど怪我に繋がる事項が主だと思いますが、今回、当施設は食品を扱う施設としての観点から、おしま屋の食品衛生管理マニュアルを基に作業中の 事前チェック項目及び注意点を、日々潜んでいる危険を感知しうる「気づきメモ」としてピックアップしたいと思います。

 

食材の仕入・保管の留意点

 

(1)原材料の点検

 a.品質(梱包状態に問題がないか、原材料に問題はないか)

 b.鮮度(生鮮物であれば、新鮮であるかどうか)

 c.品温(原材料の温度を測定し、適温であるかどうか)

 d.異物混入(入荷時、異物が混入していないか)

 

(2)原材料の保管

 a.温度管理(適温で保存されているか)

 b.保存期間(賞味期限が切れていないか)

 c.冷凍庫・冷蔵庫の管理(故障、異常がないか)

 

調理中の注意点

 

(1)仕込みでのチェック項目

 a.包丁の取り扱い(正しく使用しているか、保管は適切か、 肉・魚・野菜別に分けて使用しているか)

 b.まな板の取り扱い(肉・魚・野菜別に分けて使用しているか、漂白は行っているか、保管は適切か)

 c.調理機械の取り扱い(使用後、洗浄・殺菌・乾燥を行っているか)

 d.野菜の洗浄(洗浄、場合によっては殺菌をおこなっているか)

 

(2)調理中の注意点

 a.揚げ物(油の跳ねによる火傷、加熱不足)

 b.焼き物(天板による火傷、加熱不足)

 c.お湯でボイル(熱湯やガスの火による火傷、加熱不足)

 d.煮物(熱湯やガスの火による火傷、加熱不足)

 

弁当に関しての注意点

 

(1)配膳中の注意点

 a.異物混入(代表的なものに髪の毛や虫など)

 b.おかずのつけ忘れ(二重三重のチェック)

 c.人と人との接触(作業中にすれ違う際、ぶつかりそうになる事を未然に防ぐ)

 

(2)配達に際しての注意点

 a.配達数の間違い(時間に余裕を持って、確実に行う)

 b.配達場所の間違い(荷札を確実に見る)

 

(3)その他

 a.洗剤・薬品の使用(劇薬を使用する場合もあるので、慎重に取り扱う)

 b.清掃中の注意点(床の水をまくことによる滑りに注意)

 

 以上、今回の事項はおしま屋の食品衛生管理マニュアル全体の一部のチェック項目や注意点ですが、事前にチェックし、注意することによって、 おのずとヒヤリハットを未然に防げ、且つ、安全・安心な弁当を提供することが出来ると考えます。

 

(2010年12月 おしま屋)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。