リスクマネジメントの取り組み

ねお・はろう

 

リスクマネージャーのコラム

 

「ねお・はろうの取り組みについて」

 

事業所の概要

 

 ねお・はろうは、平成25年におしま学園と第二おしま学園の児童施設再編により開設された、定員60名の障害者支援施設です。前身の「第二おしま学園」は、昭和53年9月に第二種自閉症児施設として開設され、昭和60年以降はTEACCHプログラムの理念を通して、特性に応じた支援を展開してきました。利用者の殆どが自閉症スペクトラムの診断を受け、行動障がいを示しています。また、てんかんや脳性麻痺等の疾患から、介護や医療ケアが必要な方達が、それぞれ個々に必要な支援を受けながら生活されています。現在の本園棟は、昭和53年に完成した児童施設の建物を使用しており、老朽化や児童規格のため、暮らしの中で窮屈さが生じています。利用者特性に配慮出来る工夫や、将来的な加齢による身体機能の低下等の課題を見据えて、改築検討と共に日々の事故対策と質の高い支援を模索しています。

 

リスクマネジメントの取り組み

 

 上記でもご紹介した通り、当施設では様々な障がいを持つ方が生活を共にしています。その支援にあたっては、日常生活・仕事・余暇・コミュニケーション等のあらゆる面において、一人ひとりの機能レベルや特性等を把握して、多様な情報を基に個別支援プログラムを作成することからスタートしています。評価表を活用しながら利用者一人ひとりの違いを理解し、興味関心を的確に捉えながら支援するように努めています。そして、寮・日中活動・医療と立場は違っても同じ利用者を支援するもの同士、しっかりと連携出来る体制を作って行く為に、ケースカンファレンスの励行にも力を入れています。また、ケースカンファレンスを通して、「障がい特性」「学習スタイルの理解」「利用者のアセスメント」「ニーズの把握」「生活環境の整備」など利用者支援を組み立てる上で必要な能力を、実践を通して正しく理解することで、結果的に利用者の生活の質を高め、日常生活のリスクを減らすことにも繋がると考えています。

 また、今年度は「利用者の尊厳を守る」という点に関しても、「生活・日中活動担当者」「看護師」「事務職員」「管理職員」を含め、全職員で部署毎に考える機会を設けました。内容は、「利用者との関係構築」「利用者との対等な立場とは何か」「利用者の見守り」という点を重点に情報交換を行いました。若年・中堅・熟年職員それぞれが培ってきた経験を基に、過去と現在を見つめ直し自分達の仕事とは何かをふり返ることが出来ました。

 入所施設のメリットは24時間の切れ目ないサービス提供と、適切なアセスメントを通じて、利用者個々に必要な時に適切な支援が提供されることにあります。ねお・はろうの施設目標として、「各々の障がい特性を理解し、利用者個々の評価に基づいた支援を実践する」との指針が示されています。今後も支援者それぞれが指針を念頭におき、利用者各々の人生に笑顔があふれ豊かな生活が送れるように、今後も研鑽して行きたいと思います。

(2015年12月 ねお・はろう リスクマネージャー 東海林 功)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。