リスクマネジメントの取り組み

ワークショップはこだてでのリスクマネジメントの取り組み

 

ワークショップはこだての概要

 

 ワークショップはこだては、家庭やグループホームで暮らす人たちが通う日中活動支援事業所です。開設以来、一貫して「作業活動を通して利用する方一人ひとりの職業的自立と自己実現を図ること」を基本方針とし、作業活動支援をメインに事業展開してきました。生活介護と就労支援継続B型の2事業を行う多機能型事業所となっており、現在は、珍味・昆布の加工品の計量と袋詰め、ウニ箱の組み立て、各種箱折り、シール貼りやパッケージング等の下請け作業と、無農薬の野菜(リーフレタス)を育てる水耕栽培作業にも取り組んでいます。また、函館青年寮を利用する方々も同じ施設内で日中活動を行っており、90名近くの利用者の皆さんが過ごしています。

 

ワークショップはこだてでのリスクマネジメントの取り組み

 

 ワークショップはこだてはご自宅やGHから通所している方と函館青年寮に入所している方が日中を過ごす場として利用しており80名近くの方が利用しています。そのため投薬が必要な方も多く、昼食場面において誤薬事故が目立っていました。事故の原因の多くは「忙しくて慌てていた」「名前が同じで見間違えてしまった」などを理由とした“支援者による確認不足”です。こうした事故からワークショップはこだてにおいて誤薬事故を減らすための服薬における手順の見直しをしました。

 

 まずは、チェックリストを作成しました。

 

利用者全員の氏名が記載されており、服薬がある方は服薬内容も詳しく記載されています。

 

チェック項目として、①薬を受け取る、②薬ケースに入れる、③服薬確認、④服薬後の残薬がないかの確認があります。手順としては、①は朝に利用者の皆さんが各家庭から持ってきた薬を受けっとった者がサインをします。②は基本的には看護師が行います。③は各支援者が行いますが、服薬確認の場面においては、服薬前に氏名・日付・投薬時間を支援者2名でダブルチェックしてから利用者に渡します。服薬時も落薬は飲み残しが無いように見守り支援を行います。④は服薬後薬の薬包を確認し飲み残しがないか確認します。飲み残しが無いかを確認したら、各グループ用のダストボックスに入れます。最後に看護師がすべての薬の薬包に残薬が無いことを服薬チェック表と照らし合わせながら確認します。また、手順を更に明確にそして的確にどの職員にも伝わることが出来るよう服薬マニュアルも作成しました。

 

実際に使用している服薬管理ツール

 

支援者間で手順を徹底することで、服薬手順の見直しを行ってから現在まで誤薬事故は減少しました。しかし、現状として100%誤薬を防いでいるとは言えません。通所事業所で多い誤薬事故として風邪などの一時的に処方された薬の服薬忘れがあります。ワークショップはこだても例外ではありません。支援者と看護師の連携もとても大切です。また、加齢に伴い疾病の状態から服薬が増える反面、単独での服薬が難しくなってきている方が増えています。一度マニュアルを作成したから終わり、ではなく年々変わりゆく支援ニーズに合わせ見直しを行いながらその時に必要なマニュアル・手順の作成が大切だと感じています。

 

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。