リスクマネジメントの取り組み

ワークセンターほくと (2014年8月)

 

ワークセンターほくと 気づきメモの取り組みから

 

ワークセンターほくと事業所概要

 ワークセンターほくとは平成17年度にクッキーハウス分場として開設され、平成19年4月から就労継続支援B型「ワークセンターほくと」として新体系へ移行しています。平成26年度からより支援度の高い方々の利用ニーズに応えるため、就労継続支援B型と生活介護事業の多機能型事業所から生活介護事業所に移行しています。

 活動では下請け作業のほか、和紙製品の製造も行っています。また、利用者の方々の健康面や高齢の利用者の方々の運動機能の維持・拡充のために運動の時間を定期的にもつようにしています。さらに利用者の疾病にも対応できるように、外部の連携機関に助言を求めることもあります。活動面、健康面とも利用者の方々に質の高いサービスを提供できるように心がけています。

 

これまでの取組み

 当事業所ではヒヤリハット、気づきメモの2種類のメモカードがどの作業室にも常置しています。また、事務室にはヒヤリハット・気づきメモを簡易でメモできるファイルが設置されています。これらによって、日中支援中にもヒヤリハットや気づきメモが作成できるようになっています。しかし、ヒヤリハットも気づきメモの提出件数はまだまだ少ない現状であり、2013年度は気づきメモの提出件数は5件でした。2014年度は8月現在3件となっています。

 件数は少ないながら、集計結果をリスト化しました。以下がそのリストになります。

 

 
場所 状況 予測される事故 改善策
1 作業室 利用者から見える場所に殺虫剤(ゼリータイプ)が置いてある 誤飲 見えない箇所に設置
2 施設外の体育館 ボール遊びをしているときに、体育館の備品にボールが当たる 施設外の備品の破損 ボール遊びをしているときの場所を変更する
3 作業室 冷房の風が利用者にあたる 体温調節が難しい高齢の利用者が体調を崩しかねない 冷房の風向きを自動ではなく、横に吹く角度で固定する
4 相談室 職員が相談室に行ったとき(利用者がいない時間帯)に、ポットが空焚きになっていた 火災・備品の破損 電源を切るように視覚的な何かを掲示
5 施設周囲 蜂の巣を発見。当別の経験ある職員に駆除を依頼 利用者が蜂に刺されることが考えられる 殺虫スプレーの購入
6 バス(送り)添乗時 送り終了後、利用者の座席から鍵を発見 忘れ物 利用者が下車した後、忘れ物がないかチェックを行う
7 作業室 ウニ箱を運ぶ際に、利用者のテーブルの後ろを通るので、ぶつかる危険性がある 衝突によるけが 台車を使い、通路を確保して運ぶ
8 施設周囲 外にある、袋の干し場の木にぶつかる可能性がある(周囲を見て歩行しない利用がいるため) 衝突によるけが タオルや包装テープでつつみ、ぶつかっても怪我をしないように工夫

 

 8件中5件(1,3,5,7,8)は利用者の心身に怪我等の不調につながるものでした。内4件(1,3,7,8)は環境を調整することで、リスクになる芽を取り除くことができる結果となりました。5番の蜂の巣についても現在では巣を作らせないスプレーなどをシーズンになる前にしておくなどでリスクになる可能性を減らすことができると考えられます。

 

今後の取り組みについて

 わずかな事例からでも環境を調整することで、リスクを減らすことができるということを改めて認識しました

 しかし、本事業所は気づきメモの提出件数が少なく、どこに危険があるのか正確な分析はできないという実態があります。現在、リスクマネジメントに関する部会では、部会の支援員から試験的にノルマを課す等の対策を検討しています。今後、ヒヤリハット報告、気づきメモの提出件数が増えるような対策について、部会の中で早急に話し合っていきたいと思います。

 

(2014年8月 ワークセンターほくと)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。