リスクマネジメントの取り組み

七重浜保育園におけるリスクマネジメントの取り組み

 

 七重浜保育園は今年9月で開園63年を迎えました。現在、0歳から6歳までの136名の子ども達が元気に登園しています。

 

 「すこやかでやさしい子ども」「みんなと力を合わせることのできる子ども」「自分の気持ちを伝えられる子ども」「良く考え、やりとげようとする子ども」「生き生きと遊ぶ子ども」を保育目標(めざす子ども像)とし、日々、子ども達が安心安全な毎日を笑顔で過ごせるよう、職員全体で意識を高め保育に努めています。

 

 当園ではリスクマネジメントの取り組みの一つとして「虐待防止チェック表」を毎月、職員一人ひとり行なっています。

 侑愛会5カ年計画でもあり、児童虐待の定義を職員全体に周知し身体的虐待、放棄・放置、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待で保育園に当てはまり身近に感じていること、「虐待につながる可能性のある不適切な行動」を一人ひとり提出してもらいました。その中から15項目を抜粋、「虐待防止チェック表」を作成し平成27年1月から開始しました。

 

 開始当初は、できていないとチェックする職員が過半数以上いた項目が5〜6項目と多くありました。

 少しずつ職員間で意識が見られ、1年後の平成28年1月には2項目まで減少しました。しかし、「子どもを呼び捨てにしない」「子どもへの言葉掛け(〜しなさい、ダメ、早くして等)雑になってはいない」の項目だけは、現在もまだ過半数以上ができていないとチェックしている現状があります。

 改善方法として行なったのが、職員全体の研修会で「どうしたら改善されると思いますか?」という内容を話し合う機会を設けたり、余裕がないときに子どもへの呼び捨てや言葉掛けが雑になるとの結果から、クラスで「余裕をもって保育するには?」という内容で話し合い、全体に周知したこともありました。職員によってチェックの仕方(考え方等)が異なる場合もありますが、どのようにこの2項目を改善していくかが今後の課題となっています。

 虐待防止チェック表の下記の部分に思ったこと、感じたことがあれば記入する欄を設けていますが、毎月職員一人ひとりが素直な思いや反省点、今後こうしていきたい等、記載してくれるようになりました。

 

 自分の保育を振り返ることの大切さを改めて学び、この虐待防止チェック表を通し、職員全体が保育への改善、意識を高めていると感じ、それを具体的な方法で改善に取り組む必要があると思っています。

 

虐待防止チェック表

虐待防止チェック表

 

昨年度、散歩マニュアルの見直しを行いました。

 事故・ヒヤリハット報告書の集計を通し、午前活動中の園外での事故が多く見られたのが、きっかけとなりました。

 未満児、以上児(3歳・4歳・5歳)それぞれの散歩先を全てコースを職員で歩きながら、危険と思われる箇所をひとつ一つ確認しました。公園内、固定遊具、職員が気をつけること等を話し合い、作成することで、みんなで確認し合うことの大切さを実感するとともに普段行き慣れた公園や道のりの危険も再確認することができました。

 また、危機管理とともに、子ども自身の危険を回避する力を育てる事が大きな目標でもあります。

 安全保育を行なうために、子ども達の姿をしっかりと捉え「危ないから」と全て取り除くのではなく、日々の生活や遊びの中で危険予知、危険回避を学ぶことができるようにしていきたいと思っています。

 

散歩マニュアル

散歩マニュアルから

 

交通安全教室を通し、交通のルールや安全な歩き方を学び、車に注意したり、友だちとの間隔が開きすぎていたらつめる等、子ども達自身も意識を高めながら散歩に出かける様子も少しずつ見られるようになってきました。

 

交通安全教室にて

交通安全教室にて

 

 避難訓練は火事や地震を想定して、行なわれています。

 非常ベルがなると安全な箇所に集まり、放送(話)をしっかりと聞くこと、自分の身を守る「だんご虫のポーズ」も身につき上手になってきました。「おはしも」の約束(おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない)も視覚的に伝えることで大分浸透していますが、普段慣れていない非常階段を、防災頭巾をかぶり避難することは難しく、日頃からいつ起こるか分からない災害に備え、スムーズに階段を下りることができるよう練習していきます。

 10月には函館水産高校と合同で避難訓練を行なう予定です。お兄さんやお姉さんに校舎4階までの避難を手伝ってもらい ながら、たくさんのことを学ぶことができたら嬉しく思います。

 

避難訓練写真

避難訓練にて(だんご虫のポーズ)

避難訓練写真

避難訓練にて(非常階段)

 

 安全な保育環境を設定し、全体で取り組むこと、意見を出し合うこと、全体に周知されること、そして継続して取り組んでいくことを大切にしながら、子ども達が笑顔で安心して通えることができるよう安全対策を行なっていきたいと思います。

(七重浜保育園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。