リスクマネジメントの取り組み

函館青年寮におけるリスクマネジメントの取り組み

 

函館青年寮は、知的に障がいを持つ方たち生活をする施設です。ユニットケアによる生活単位の小規模化や完全個室化された住環境を生かして、集団生活でありながらも個別配慮を優先した生活支援を行っています。昭和50年に開設しましたが、建物の老朽化のため、建て替えを行っています。都市部にある立地条件を生かした、定員40名の施設となっています。

 

現在は、男性19名、女性18名の20歳から75歳の方々が生活しており、平均年齢は55.7歳で、平均障害程度区分は、5.4となっています。障がいの種別は、自閉症を伴う知的障がい、精神障がい、身体障がいと多岐にわたっています。

 

生活していく中で、老化による転倒やヒューマンエラーとしてのヒヤリハットが時折みられたため、ハード面とソフト面の取り組みをしています。

 

洋式トイレに手摺りを設置

日常的に車椅子を使用している方、自らある程度の時間、姿勢を保持することが難しい方が安全に排泄できるよう設置しています。使用する方に合わせて、前や左右にある手摺りを上げ下げして調整しています。

 

 

車椅子でも通りやすいように三枚引き戸を設置

開設当初は、一般的な一枚引き戸でしたが、車椅子を使用する方、歩行介助を受ける方が増えて来たため、開閉しやすく、幅の広い三枚引き戸に改修しています。

 


(左:寮玄関、右:寮玄関中扉)

 

入浴時の危険防止のため個浴を増築

浴室は、洗い場が3カ所と大きな浴槽があるタイプのものでしたが、歩行が困難な方や身体機能が低下してきた方用に増築をしています。特に、リフト式の椅子を使用して浴槽の出入りが出来る所は、利用者の方にも安心感があるようで、リラックスした入浴を楽しんで頂いています。

 

 

一人でも安心して浴槽の出入りが出来るよう、へりに手摺りを設置

身体的に障がいのある方に、なるべく自力で行動する場面が増えるよう、安全を配慮し職員が至近距離で見守りをしながら、浴槽の出入りが一人でも出来るよう設置しています。

 

 

配薬ミス、飲み忘れがないようチェック表の作成

薬を準備する段階でダブルチェックをし、服薬後の薬のごみも飲み残しがないか、全員服用していることをチェックするため使用しています。

 

 

上記のような対応で、ヒヤットすることハットすることを未然に防ぎ、安心、安全で快適な暮らしを送ることが出来るよう、建物や利用者の方々の身体機能などの将来像を見越した取り組みを更に進めていければと思います。

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。