リスクマネジメントの取り組み

小委員会活動報告6

 

小委員会活動報告 その6

 

小委員会活動の取り組み「入所系」

 

はじめに

 

 おしまコロニーリスクマネジメント委員会の入所系事業所が、集まって話し合いを行っているのが、この小委員会です。平成25年度より、成年期以降の事業所に「おしま学園」と「ねお・はろう」を加えた計9事業所で小委員会活動を続けています。施設入所という共通の環境で、生活の場面に潜んでいるリスクにはどういったものがあるのか、それぞれの施設ではどんな対応をしているのか、そういったことを話し合っています。

 平成23〜25年度にかけて、様々な場面で想定される事故と怪我の予防についてというテーマに沿って話し合いをしました。最初の「入浴」、「移動」の場面に関しては「小委員会活動報告その4」にて紹介済みです。その後、「食事」の場面に絞って話し合いが続けられました。

 

「食事」場面で想定される事故と怪我の予防について

 

 私たちが自然に行っている「ものを食べる」という行為は、障がいの重い方や高齢の方にとってはリスクの伴う行為でもあります。適切な量を口に運び、良く噛み、飲み込む。この一連の行為のどこか一つでもうまくいかない場合、喉つまりや誤嚥などの危険に繋がってしまいます。どういったことに気をつけて食事の支援を行えば良いのか。各施設での気づきや取り組みを小委員会に持ち寄り、情報交換を行いました。

 例えば、調理法による支援。食材を細かく刻んだ刻み食、飲み込みやすいようにとろみを追加したとろみ食などの支援が各施設から紹介されました。ここで少し注意が必要なことは、刻み食は噛む機能が低下した方に適し、とろみ食は飲み込む機能が低下した方に適した調理法と言われています。つまり、適さない支援を行ってしまうと、その方の問題ない能力まで低下させてしまう危険があるということです。大事なことは、一人一人の食事場面を良く観察し、その方に合わせた支援を考えることではないかと話し合いました。

 そのほかにも、栄養摂取・食材調整についての支援、例えば、カロリー制限、透析食、アレルギー対応など各施設で多岐に渡りました。

 こうして、様々な角度から食事場面で想定されることを話し合い、得たものを各委員が持ち帰り、自施設のリスクマネジメントに役立てています。

 

今後のテーマについて

 

 平成26年度からは、新たに「虐待防止」というテーマで話し合いが始まりました。この小委員会では、各施設で行っている取り組みや日常の細かな気づきの話し合いなどを通して、これからも互いに意識向上を図っていきたいと思っています。

 

(2014年11月 小委員会)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。