リスクマネジメントの取り組み

当別保育園(2014年8月)

 

当別保育園の取り組みから

 

 当別保育園には放課後児童クラブが併設されており、2歳から6年生まで幅の広い年齢の子どもたちが利用しています。山、川、海と豊かな自然に囲まれ、自然の恩恵を受けながら元気に毎日を過ごす園児たち、「ただいま」と一息をついた後、パワフルに遊び始める小学生。異年齢だからこそできる経験があると共に発育状況、発達段階によるリスクに配慮しながら安心できる毎日を過ごせるように心がけています。

 

 昨年の気づきメモの集計結果は施設整備のものと、それぞれの季節の始まりに気付いたものがほとんどでした。豊かな自然に囲まれている環境のため様々なリスクが存在しています。熊、へび、スズメバチや、杉花粉、稲やヨモギにより起こるアレルギー症状などもあります。川遊び、磯遊び、雪遊びなどの安全に遊ぶためのリスクなど色々なことが考えられます。職員だけではなく、子どもたちにも危険に対する意識を育てていくのも大切なことです。身近に自然がある環境のために慣れ過ぎていることもあり、恐怖心や気を付けようとする気持ちが低いこともあります。怖がりすぎて活動に制限が出ないように配慮しながら、どう危険から回避するのか身につけていくことが必要です。職員間だけではなく、子どもたちとも日常のコミュニケーションの中でリスクに対する意識を高めていきたいと思います。

 

 また、当別保育園は地域とのつながりがとても強いことが特徴としてあり、運動会や文化祭などに参加したり、餅つきやこどもまつりなど来園して頂くことで交流を重ねること、「石別ふれあう会」というネットワークのもと、地域の中の保育園としてみなさんに可愛がってもらっており、外部とのリスクコミュニケーションにつながっています。「そろそろスズメバチが活発になる時期だよ」「通学路の階段に蛇がでたよ」などの情報提供から、今年で3回目となる石別地区総合防災訓練を通して有事の際の保育園の動き、役割を再確認する機会となっています。

 

 5月には石別地区に不審者が逃走するという事件がありました。現場に近かった石別ふれあう会に所属する中学校から一早く連絡があり、園内を施錠後一か所に集まる、保護者や他機関へ連絡を取るなど、緊急時の対応を素早く取ることができました。パトカーがパトロールしている中、地元の駐在さんが「大丈夫ですか」と訪問してくれました。普段の連携が活かされた結果です。これからもこのつながりを大切にしていき、今後はこのネットワークをどう繋げていくか、広げていくかということが課題です。

 

 今日も夏の陽ざしの下、磯遊びに行こうか、蝉を探しに行こうか、子どもたちが目をきらきらと輝かせています。子どもたちと一緒に安全に対する意識を高めながら、私たち大人は安心に遊べる環境を整え、地域の中での保育園としてこれからも自然とかかわる保育を大切にしていきたいと思います。

 

(2014年8月 当別保育園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。