リスクマネジメントの取り組み

浜分保育園 (2013年3月)

 

浜分保育園 気づきメモの取り組みから

 

 浜分保育園は、昭和55年12月1日に開園し、開園当初から、少子化により子どもの生活経験が少ない事を考え縦割り保育を主体としながら取り組んできました。

 現在では、遊びの発展性や年齢別による発達を考慮し、横割り保育も取り組み、3月現在で、0歳児25名、1歳児23名、2歳児29名、3歳児27名、4歳児26名、5歳児20名、合計150名の子ども達が毎日元気に過ごしています。

 

気づきメモの取り組み

 事故やヒヤリを防ぐために必要な事は「危険予測できる力」です。

 日頃から、「もしも、ここがそのままだったら、大きな事故に繋がるかもしれない」 「今、自分が気づいた事は、大きな事故を防ぐ事が出来るかもしれない」そういった事に気づく力が、子ども達を守る事に繋がります。

 今回は、気づきメモから予測し、未然に防ぐ事が出来た事例を報告致します。

 

1.気づきメモから予測された事故内容
① 転倒  23件 ② 衝突  14件 ③ 落下物 13件

 

2.気づきメモから予測された危険箇所
① 保育室 53件 ② ホール  10件 ③ 玄関 7件
廊下 7件

 

3.気づきメモが提出された事で改善された事例
場 所 内   容 予測事故 対  応
保育室 絨毯を敷いているが滑りやすい。 転倒 滑り止めをつける
玄関 冬期間、戸外の玄関マットが凍りやすい。 転倒 気温が下がっている日はマットをはずす。
ホール プレイルームのスイングサポートフレームに掴まり立ちをした際、バランスを崩しぶつかる。 衝突 フレームにクッションシートをつける。
保育室 棚の角がむき出しになりぶつかった際に危険。 衝突 コーナーガードを取り付ける。
保育室 避難バックを壁にかけているが落下した際、子どもの頭上に落ちる可能性がある 落下 直ちに場所を変更する。
廊下 ロッカーの上に帽子籠等様々な物が置かれ万が一落ちた際に子どもにぶつかる。 落下 片づけ場所を整理し廊下棚の上に物を置かない事を職員間で確認する。
保育室 スマートゲートの固定が緩く、子どもの体重ではずれ、転落の危険がある。 転落 直ちに確認し固定する。毎朝、職員は確認する。

 

 開始当初は、「気づきメモ」の意味がなかなか伝わらず、浸透しないため年間の提出を5枚等と決め実施してきましたが、その結果、職員の「もしかして危険?」という「気づき」が増えた事は事実です。

 慣れてしまいがちな環境を日々見直し、「今までも、こうだったから」ではなく、「ここ危険だと思わない?」と保育の中で感じた事を職員同士が話し合い、相談、改善に至るケースが多くなったように感じます。

 そのおかげで、平成24年度は、環境が原因であったと思われる大きな事故は一件もありませんでした。

 安全な環境作りは、一人一人の意識です。

 これからも、安全な環境の中、利用する全ての子どもや保護者の方々が毎日笑顔で過ごせる、安心出来る環境作りを日々目指していきたいと思います。

 

(2013年3月 浜分保育園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。