リスクマネジメントの取り組み

おしま学園

 

リスクマネージャーのコラム

 

「おしま学園の取り組みについて」

 

事業所の概要

 

 おしま学園は昭和42年に開設され、昨年度より定員40名の福祉型障がい児入所施設として再スタートしています。児童の構成は、今年度11月に5歳の幼児が入所し、他の大多数の児童は隣接する北海道七飯養護学校おしま学園分校に籍を置き、1名は地域の中学校に通学しています。5歳から18歳と年齢差があり、利用児童の特性も様々ですが、成長と共に高等部の年齢になると卒業後の進路に向けた支援が大きな比重を占めます。ご家庭や学校とも連携をはかって、一人ひとりの人生を左右する進路移行が適切に進むように取り組んでいます。今年度は7名が卒業予定です。

 

リスクマネジメントの取り組み

 

 昨年、登校の際に男子児童が職員の手を振り切って、市道に飛び出すことがありました。当別の市道とはいえ、登校時頃には職員の車等が頻繁に行き来をしています。通りかかった職員がその児童を見て停車したところ、その車に乗り込もうとして学園の職員に止められています。一歩間違えばとヒヤッとする出来事でした。

 この事故をきっかけとして再度、登校時の安全のための対策を検討し、通学路の整備や把握方法の見直し、登校時間に時差を設けるなど、他の大勢の児童の安全も考慮しながら現在にいたっています。

 気づきメモや事故・ヒヤリハットの報告をはじめ、各種マニュアルの見直しなど、事故のリスクを軽減するための様々な方策を行っていますが、何よりも支援に携わる職員の共通理解が前提となります。一つの寮の事故をきっかけとして、再発防止の対策を園全体で受け止め、各寮もリスクを検討して職員間の連携をはかることで大きな事故となるのを未然に防ぐように取り組んでいきたいと思います。

 

課題として

 

 一人ひとりの利用児童は色々な個性を持っていて、当たり前のことですが、登校時を例にとってみても、早く学校に行きたいと駈け出そうとする児童や直前までテレビに夢中で渋々動き出す児童、束縛されたくないとばかりに?いだ職員の手をすぐに振りほどく児童等々、様々です。

 集団で活動する際には、安全のためのルール作りが欠かせません。それはある意味、自由に対する制限になる場合もあります。ある程度の制約の範囲内でも、児童一人ひとりの要求や成長段階に合わせた支援が出来ればという思いは職員共通のものです。

 これからの発達と人格形成の大切な時期にある児童の成長の芽を摘まないように配慮しながら、何よりも安全で安心できる支援を優先させたいと考えています。

 

(2014年11月 おしま学園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。