リスクマネジメントの取り組み

おしま地域療育センター(2015年7月)

 

おしま地域療育センター 気づきメモの取り組みから

 

施設の概要

 

 「おしま地域療育センター」は、北海道の南部、渡島・桧山管内の早期診断療育機関として、昭和60年4月に開設されました。現在は、乳幼児から成人期までの発達に関わる診療・評価・相談・療育のための総合機関としての役割を担っています。利用する方の「現在」と「将来」を見据え、一人ひとりに合わせた適切なサービスを通して、その人が本来持っている力を十分に発揮出来る様、より幸せに生活できるように考え、支援しています。

 また、地域の関係機関・人的資源とも連携し、地域の中での総合的な支援を目指しています。おしま地域療育センターには、「ゆうあい会石川診療所」と指定児童発達支援事業「おしま地域療育センター」、発達支援センターの3つの部門があります。「ゆうあい会石川診療所」では、年齢や地域を問わず、発達に関わる診療・評価・相談等を行っています。

 また、医師の処方により、理学療法・作業療法・言語聴覚療法等のリハビリテ—ションを行っています。指定児童発達支援事業「おしま地域療育センター」では、1クラス5人のグループ療育(母子通園3クラス・単独通園4クラス)を行っています。その他、幼稚園や保育園等を訪問する訪問相談や外来相談を行っています。

 

気づきメモの取り組みについて

 

 おしま地域療育センターでは、『気付きメモ』の提出に対して、いくつかの取り組みを行っています。一つ目は、年に数回、職員で2・3人のグループを作り、施設内の危険な個所を発見し『気付きメモ』として提出し、職員間での周知や改善を行う取り組みや、『気づきメモ強化週間』を設け、職員が各自で意識しながら『気づきメモ』を提出する取り組みを行っています。今年度の第1回目は、7月29日の職員会議後に実施を予定しています。今回初めての取り組みとして、施設内の点検と合わせて建物回りの点検も行う予定です。

 二つ目は、職員間の『気づきメモ』への意識を高める事を目的として、月初めにリスクマネージャーが、それぞれの職員の机へ『気づきメモ』を配布し、最低でも月に1件の『気づきメモ』の提出を目指す取り組みを、今年から始めました。定期的に『気づきメモ』についてのアナウンスがある事で、今年は更に、『気づき』への意識が、職員の間で高まる事が期待されます。

 三つ目は、平成26年度の取り組みとなりますが、利用して頂いている方やご家族の方へアンケート調査を行い、危険と感じる点や不便と感じる点について記入して頂きました。

 

 去年の『気づきメモ』の報告内容としては、物の片付け方や配置方法の工夫により出血や圧迫、衝突を事前に防ぐ気づき(例:玩具を隠すために使用していた布と棚を固するために画鋲が使用されている・壁と衝立の間にすき間が出来ている・扉のネジの緩みがありカギが掛からない等)、マットの状態等で転倒を事前に防ぐ気づき(例:マットが劣化のため歪んでいる・カーペットの継ぎ目が部分的にめくれている等)が挙げられていました。

 また、それぞれの気づきについての対応方法を、職員間で話し合い、危険な物は目に付かない所へ片付ける事や、利用される方が通っても安全な家具の配置や道具の使用へ変更する事等の対応を、各部屋の担当職員等が行っています。

 

 年間を通して職員間で『気づきメモ』を提出する取り組みを行う中で、事故やヒヤリハットに対しての共通認識が広がる事や、対応方法を職員で話し合いを行う中で、新しい視点や工夫の方法を学ぶきっかけとなっていると感じています。今年度、新たに始まった取り組みもある中で、今まで以上に、利用して下さる方、そして、職員も安全に安心して利用できる施設作りを目指して行きたいと考えています。

 

(2015年7月 おしま地域療育センター)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。