リスクマネジメントの取り組み

クッキーハウスにおけるリスクマネジメントの取り組み

 

クッキーハウスの概要

 

クッキーハウスは、平成4年に、ワークショップはこだて第3分場として開設され、平成6年に通所授産施設「クッキーハウス」となりました。現在は多機能型事業所「クッキーハウス」となります。事業は就労継続支援B型と生活介護の2事業を行っており、47名の方に利用して頂いております。

 

工場はクッキー工場(第1工場・第2工場)、パン工場(店舗 ハーベスト併設)、クッキーハウスⅡと4棟の建物に分かれ、12名程度ずつの利用者の方々が利用されています。年齢も20代から70代の方、区分も2から6までの方々と、年齢も支援度も様々な方々が利用されています。

 

クッキーハウスの日中活動の主体は生産活動です。パン工場に併設されている店舗(ハーベスト)には毎日その日に焼き上げたパンが並んでいます。一つひとつ丁寧に作ったクッキーも販売しています。クッキーは店舗以外に喫茶店や葬儀用のクッキーを製造し、卸しています。また、箱折りや製品の袋詰めなどの下請けの作業も請け負い、利用者の方一人ひとりに合った作業の提供と、それによる社会参加を目的としています。

 

事故事例

 

<令和元年11月>

クッキー工場にて、1名の利用者の方の昼食後の薬の飲ませ忘れが、16時に発覚しました。内容としては整腸剤でしたが、すぐに工場の職員と管理職で事実を確認し対応策を話し合いました。投薬に関してはその工場では一人の職員が管理、手渡し、投薬後のチェック全てを行っていることが分かりました。工場全員の投薬状況をリストアップし二重チェックできるシートを作り、次の日より実施しています。また、管理元のグループホームへ連絡、指示を仰ぎ情報を共有し、事故報告書を渡島総合振興局へ提出しました。

 

その後、全工場へ周知し医務委員会にて全体の対応策を話し合いました。当時、二重チェックをしている工場は4つの工場のうち2つしかないことが判明しました。各工場で、投薬状況の把握、保管、本人確認、投薬後の二重チェックを徹底するよう確認し、シートを作りました。

 

元々、昼食後の投薬をしている方が少なかったことや、風邪薬程度であればご本人が管理する事もあった為、「間違えないだろう」という感覚が事故につながったと思います。どのような投薬でも必ず職員が把握する事、2重チェックする事を行い、現在まで投薬での事故は出ていません。

 

 

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まとめ

 

この事故では、まず管理職、リスクマネージャーが投薬の状態を把握していなかったことが大きな原因だと感じています。また、「ミスを素直に伝える事の難しさ」も感じました。このケースでは職員の方にすぐに伝えて頂きましたが、事故に気づき報告するときの「どうしよう・・・」という何とも心苦しい感情を、伝えやすい職場環境を作らなければならないのだと感じました。ミスは誰でも起こすものですが、普段はあまりそのリスクに気づかないものです。小さな事故を皆で周知し考えるからこそ、大きな事故を防ぐことができます。気づきメモやヒヤリハットの提出がキーになってくると思っています。クッキーハウスでは気づきメモやヒヤリハットの提出も数が少ないので、大きな課題だと感じています。

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。