リスクマネジメントの取り組み

ワークセンターほくとにおけるリスクマネジメントの取り組み

 

事業所概要

 

 ワークセンターほくとは、平成17年クッキーハウス分場として10数名からスタートし、平成21年に定員を増員して、43名で再度スタートしています。北斗市・函館市の在宅、または、グループホーム在住の方々が日中活動の場として利用されていますが、ここ数年は、保護者の方の高齢化とともに、利用者の方の加齢化から在宅が困難となり、グループホームや入所施設への移行や希望する方々が増えて来ているのが現状です。

 利用者の方の年齢層は、最年少が19歳、最年長では65歳と幅広い年齢層で活動を行っています。特性から、かきこむようにして食事を摂る方、異食、必要以上に飲水を行ってしまう方々など様々であります。

 年齢も幅広いですが、食事については全利用者の方々の見守り、介助の強化を行っています。食事対応など、嚥下状態が低下している方などもおり、委託の業者と相談しながら食事内容の変更を行ってもらったり、利用者の状況から食材によっては、刻みを行ったりと配慮しながら取り組んでいます。

 また、年に1〜2回は北斗消防署へ行き、救急救命の訓練を行っており、スキルアップを目指した内容の訓練も行っています。研修後にも再度、事業所にて復習や訓練を行っています。また、酸素吸入を行っている方やインシュリンを接種されている方なども利用されており、保護者の方と毎日の情報交換や出勤後のバイタルチェックなどの確認等、支援員と看護師が連携を図りながら対応しています。

 

リスクマネージメントの考え方・取り組み

 

 利用者の尊厳を重視した考え方を目指していますが、安心、安全の状況が保障されることは、福祉サービスに対する最低限の要望となるはずです。そのためには、現場において、利用者の方の特性を把握した、個人の尊厳を保障するケアの在り方とはどのようなものか、利用者の方が危険にさらされることのないように、意向をいかにくみ取っていけるかなどが重要になってくると思います。

 責任回避ばかりを意識しすぎると、転倒事故が発生した後、対応は怪我をさせてしまう可能性があるから利用者を動かさないようにと考えてしまいがちになります。

 食事中の誤嚥事故を避けようとするならば、きちんとした食事介助を止めて他の栄養補給にしてしまう危険性があります。さらに、利用者の方の行方不明事故を避けようとするならば、出ていかないように閉じこめてしまう危険性があります。

 責任回避ばかりを意識しすぎると、逆に利用者の方の尊厳を見逃してしまうかもしません。事故をなくすことはとても重要ですが最終的な目的ではなく、何か起こった場合は、充分な事故の検証、何が危険か、何がその人にとって大事なことなのかを判断して対応していくことが必要であると思います。

 「ヒヤリハット報告」などは、1ヶ月ごとに取りまとめ、各グループに回覧をして、状況を知ってもらう機会を作っています。状況によっては、職員会議で話し合いの場を設けることもあります。事故に至りやすい状況を的確に把握し、事前に事故予防対策を考えていくことで、これまで見えていなかった問題点が見えてくることもあります。利用者の方の尊厳に即した、リスクマネジメントの取り組みの向上と支援員の専門性や、支援の質の向上に繋げていけるよう日々、努力しながら行っています。支援と同様に利用者の方や家族の気持ちにどのように応えていくか、事故があった場合の利用者の方や家族の気持ちは、「なぜこういうことになったのか」という説明を、いかに明確に伝えるかが最も必要となります。

 リスクへの対応における意識の向上と共有化を行っていき、個人責任ではなく事業所全体で気を付けていくことを、職員一丸となって心がけるように取り組んで行きたいと思います。

 

(ワークセンターほくと)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。