リスクマネジメントの取り組み

侑ハウス

 

リスクマネージャーのコラム「侑ハウスの取り組み」

 

「暮らしの中でのリスクマネジメント」

 

事業所の概要

 

 侑ハウスは、平成13年1月に開設した知的障害者更生施設です。現在、40名の利用 者の方が暮らしています。日中活動として、全員がおしま菌床きのこセンターで椎茸栽培 の作業を行っています。また、ケアホーム等への地域生活移行を進め、同時に地域で長年 暮らしてきた方が色々な理由で、その職場や生活環境で問題を抱えるケースの受け入れも 行ってきました。利用者一人ひとりの暮らしの向上、あるいは、生活全般の立て直しがで きる職場としての役割を、地域の連携の中で担っています。

 

リスクマネジメントの取り組み

 

 開設から10年間、侑ハウスで起きたヒヤリハット、事故には様々な種類がありました。 施設内で起きてしまったものもありますが、一方で外出先でヒヤッとさせられる出来事も あります。しかし、そうしたヒヤリは、その方の暮らしの支援を今後も続けていく上で、 非常に有用な気づきとなる場合もまた多いのです。

 例えば、自分達で予定を立て、仲間と 買い物に出かけるという場面では、その道中と店内で起こりうる事は様々です。最初の予 定通りに進まないかもしれません。品物を夢中になって選んでいて、他のお客さんに対す る配慮が欠けてしまうかもしれません。気の合った仲間同士でも意見が合わなくなるかも しれません。様々な可能性がありますが、大事なことは、そこから一人ひとりが気付くこ とだと思います。

 

 また、今まで地域で長年暮らしてきた方が、仕事も生活も崩れてしまい 立て直しが必要な方もいます。こういった方々が、日々暮らしていく中で起きたこのよう なヒヤリに、どうしてそうなってしまったのか、守るべきマナーやルールは何だったのか、 相手の気持ちは思いやることはできたのか、自分の都合だけを通していないか、などの気 付きを大事にして支援をしています。暮らしとは様々なリスクを抱えたものであり、その リスクをうまく成長の芽に変えていくものが、リスクマネジメントなのかもしれません。 これからも侑ハウスは、一人ひとりの暮らしの向上を願って、支援を続けていきたいと思 います。

 

(2011年11月侑ハウス)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。