リスクマネジメントの取り組み

浜分保育園 (2014年3月)

 

浜分保育園 気づきメモの取り組みから

 

 浜分保育園は、昭和55年12月1日に開園し、今年度で33年を迎えました。

 現在は、この3月の時点で147名の園児たちが在籍し、毎日元気に過ごしていて、そのほとんどの園児は、車での送迎で保育園に通っています。

 

気づきメモの取り組み

 当園では、日常の保育の中で起こる、事故・ヒヤリハット報告はその都度提出してもらっている他に、園舎内外の環境チェックリストを作成し、園児や利用する方々が安全に、そして快適に過ごせる園でありたいというねらいのもとに、職員が月ごとに交代でチェックし、リスクマネジメント会議の中で、環境チェックの統計をもとに、検討を重ねています。

 気づきメモに関しては、春夏・秋冬の二期に分けて、いつも見慣れた環境ではあるけれど、これは危険につながるのではないか?と思われる『気づき』を記載し、提出してもらいました。

 

環境での危険箇所と思われるところ(本園・分園・子育て支援拠点施設含む)
保育室  76件 玄関   31件 廊下   23件
ホール  18件 園庭    9件 トイレ   5件

 

その他・・・ストーブ(冬場)、避難車、食堂、園周辺(駐車場含む)、沐浴室等

 

 

気づいた環境から起こりうる事故内容(本園・分園・子育て支援拠点施設含む)
転倒  87 打撲  38件 挟める 34件 裂傷等 20件
衝突  19件 火傷・感電 18件 アレルギー 10件

 

その他・・・虫刺され、道路飛び出し、誤飲、避難遅れ、不審者が入りやすい等

 

 

検討し、改善された事例(本園・分園・子育て支援拠点施設含む)
危険箇所 気づき 予測事故 対策
保育室 入口引き戸が緩く、子どもの力で勢いよく閉まってしまう。 指を挟める 戸の上部に磁石でのドアストッパーを取り付ける。
保育室 絨毯を敷いているが滑りやすい 転倒 滑り止めをしていてもあまり効かず、胃腸炎の流行の際に、嘔吐で汚れたのを機会に絨毯を処分し、ジョイントマットを敷き詰めた。
保育室 押入れのふちや家具の角の出っ張りが危険。 打撲 クッションガードをつける。
避難車 子どもがつかまる所のガードが古くなり、剥がれたり汚れたりしている。 打撲や足を挟める ガードを購入し、補強する。
拠点施設前用水路 雪が降ると、用水路との境目が見えなくなる。(ガードがない現状) 落下、転倒する 三角ポールを立てると共に、小学生に危険なので、用水路の傍を歩かないよう知らせる。

 

 その他にも、改善例はありますが、棚の上の物が上がりすぎて危険が伴う気づきに関して、物と収納場所のバランスの悪さが要因の一部になっていることも考えられ、保育に関する物を整理整頓することが今後の課題になってくると思われます。

 最近では、子どもの運動機能の低下について話題に挙げられていますが、機敏性、瞬発力、持続力、反射神経の低下が、衝突や転倒の増加に影響していると言っても過言ではありません。上記に記載しましたとおり、車での送迎が殆どで、散歩に行っても疲れやすい園児に対し、今年度は幼児体育指導員の資格を持った職員が、定期的に体育指導をしていきながら、運動機能の発達向上に取り組み、少しずつではありますが運動能力面に効果が見られてきていると感じています。

 又、毎回挙げられている、廊下のロッカーに入れている着替え袋の巾着の紐がはみ出ていたり、トイレのスリッパが並べられていないという気づきに関しては、着替え袋の変更を検討すると共に、保育士が率先してスリッパ等を直し、常日頃から環境を整える意識を持つことが大前提であることを検討する中で再確認しました。

 今回の気づきメモであらたに気づいたことは、物的環境だけではなく、私たち職員がもっと意識しなければならない人的環境にも視野が広がっていたことです。事故内容の項目にアレルギーとありますが、手洗い場のシンクや、洗濯機、以上児クラスで普段から使用している折り畳みの絨毯、各部屋の加湿器、そしてテーブル等の汚れによって、アレルギーや病気感染の危険性などが伴い、衛生的にあまり望ましくない環境を提供していることにもっと配慮していかなければならないと痛感しました。

 

 来月から、あらたに新年度が始まり、4月から135名の園児でスタートします。今後も職員同士、見慣れた環境を一歩引いて見直し、気づき、話し合い、より安全を目指しながら、利用する方々が安心してすごせる環境づくりに努めていきたいと思っています。

 

(2014年3月 浜分保育園)

※気づきメモとは、事故やヒヤリハットに至る前に日常に潜んでいる危険に気づき、予想される事故に対して事前に対応をすることで、大きな事故を未然に防ぐ事を目的とされています。