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児童発達支援事業所
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障害者支援施設
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新生園は昭和43年1月に開設され、今年で50周年を迎えます。 事業内容については施設入所支援、生活介護ともに定員80名、施設入所支援では利用者個々人の主体性の尊重を念頭に、基本的生活習慣の確立をベースに生活スキルの向上、余暇活動の充実等、心身の状況に応じた支援を展開しています。生活介護では、大きく2つに分けて活動をしており、ワークセンター「大地(製函部門)」では生産活動を中心に「働くこと」を支援し、作業を通じて「働く意義」を感じながら、安定した生活を送ることが出来るよう努めています。また、デイセンター「おおぞら」では利用する方々の希望や能力・特性・興味等に幅広く対応するため、軽作業・機能訓練・余暇活動等、活動メニューを多様化し、充実した日中活動を提供出来るよう努めています。 近年では利用者の高齢化とそれに伴い支援度が増し、身辺面への支援に比率が高くなってきている現状もあり、利用者に応じては、個別に入浴や排泄、食事等も支援プログラムに組み込んだ活動を行っています。
新生園利用者の年齢状況ですが、詳しい資料はありませんが、開設当初の平均年齢は20歳代前半と推測され、平成30年2月1日時点での平均年齢は全体で50.31歳(男性50.05歳 女性52.75歳)となっており、最高年齢の男性利用者が75歳、女性利用者が65歳、最低年齢の男性利用者が31歳、女性利用者が35歳となっています。 下記の表を見てみると、利用者総数83名中、40歳代が最も多く全体の37.3%を占め、次いで50歳代が35%となっており、数年後には60歳代、70歳代の方々が全体を多く占めていく状況が予測されています。
新生園においては昨年度、侑愛会における事故定義が統一されたことを受け、これまでの事故ヒヤリハット報告書の書式もその事故定義に照らし合わせられるように一部変更しました。それにより内容が分類しやすく、書きやすい、そして集計もしやすくなりました。 平成29年4月1日~9月30日の上半期での提出総数は99件、内訳で最も多いのは転倒の44件(躓き23件、てんかん発作によるが21件)となっており、次いで多いのが利用者間のトラブルによる他受傷の20件となっています。 転倒については、躓いて転倒した箇所や転倒が予測される箇所をクッションで保護、浴室についても報告件数はありませんが、万が一転倒しても怪我に繋がらないよう滑り止めマットの設置等をしています。てんかん発作による転倒については同一の方の報告件数が多いため、主治医への的確な状態報告と服薬調整、見守り体制の強化を行うことで改善を目指しています。 今後、利用者の高齢化に伴い、私たちが注目していかなければならないものとしては誤嚥(喉詰まり)が挙げられます。報告数としては4件と少ないですが、疾病や嚥下機能の低下等から将来的な増加の予想が考えられています。
嚥下障害とは疾病や老化などの原因により飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になる障害のことを言います。具体的なものとして、疾病については脳腫瘍や脳卒中(後遺症)認知症、脳性麻痺、パーキンソン病等の脳疾患が原因となるもの、高齢者で口や舌、喉の筋力が低下し飲み込む力と吐き出す力が弱くなる、歯がない、詰め込み過ぎが原因となるものが挙げられ、日本国内で年間約5,000人が死亡しその数も年々増加傾向にあります。 新生園の状況としては上半期、誤嚥の報告件数は4件ですが、内訳としては口に詰め込み過ぎによる事例が2件、筋ジストロフィによる嚥下機能の低下によるものと推測される事例が1件、食事中に差し歯が取れ、飲み込みそうになった事例が1件となっています。いずれも50歳代男性で背部叩打法を行ったことで吐き出され大事には至らなかったというものでしたが、食べ物を吐き出すことが出来なかった場合には命の危険に関わる事例でした。 新生園として、日常的にどのようにしてその方々のリスクを軽減していくのかを考えた場合、まず一つ目として食事が挙げられます。現在、新生園で提供される食事は厨房で調理されていますが、誤嚥(喉詰まり)の危険性が予測される利用者には刻み食が提供され、また、刻みとまではいかなくとも内容によって食べやすい大きさに切り分け、徹底した見守りで食事支援が行われています。
食事の形態 | 人数 | 内訳 | 状況 |
---|---|---|---|
3食全て刻み食 | 5名 | 男性4名 女性1名 | 女性1名は汁物にとろみ剤使用 |
昼食全て刻み | 3名 | 男性3名 | 朝・夕食は支援員が必要に応じて刻む |
その他 | 5名 | - | 3食を必要に応じて刻む |
2つ目として、現在、50代女性で認知症と診断されている利用者と50歳代男性で筋ジストロフィの診断を受けている利用者2名と支援員が定期的に函館口腔センターにて専門家より食事方法や日常的な注意事項について直接指導を受けており、現在、パーキンソン症候群の診断を受けている方等、今後、受診の対象者が増えていくことも予測されます。 3つ目として、新生園所属の看護師を講師に現場の支援員向けに学習会を行っています。嚥下障害のメカニズムを学び、実際に喉詰まりが起きた場合の対処法について人形を使用した実践的な学習会となっています。
上記にも述べましたが数年後には新生園の利用者は60歳代の方々が多くを占め、疾病も増えていくことが予測されます。これまでは、刻み食、水分の多い食事にはとろみをつけるなど食事面へのフォローを行ってきましたが、新生園を利用される方の平均年齢が高くなるほど、これまでの食事面のフォローの仕方では対応ができなくなることが考えられます。 そういった段階に来た場合、次に行うべきこととしてゼリー食、ムース食、ミキサー食の提供も視野に入れ、厨房、支援員、病院等と連携し、私たち支援員を含むその利用者に携わる方たちと安心して食べられる食事の提供について考えていかなければならず、何よりその食事を利用者が満足できるかどうかも追及していかなければなりません。 食事は必要な栄養を体内に取り入れたり等、生きていく上で重要なものですが、人が食事に満足できる事によって幸せを感じたり、食事の時間が楽しみになり食べることが楽しくなったりします。その人が満足できる食事を提供するために 味、食感、温度、匂い、その人の好みを知る等の検証を積み重ねていかなければなりません。 新生園は開設当初から自立の目標がある方には、具体的な取り組みを行い、多くの方々を地域へ送り出してきた実践的な施設です。近年のように高齢化や疾病等で施設に留まる方々が多くなったとしても、一人でもそのようなニーズと可能性がある限り、今後もそのノウハウや機能は残していかなければなりません。 新生園は高齢者支援を専門に行っている施設と比較してもその実践や経験が少なく、直接的な介護を含めた支援技術の習得や建物の整備等の準備が必要な転換期を迎えています。そういった利用者の幅広いニーズに対応していくためにも今後は想定される様々なリスクを事前に把握、軽減し、安心・安全に支援が受けられる環境作りに努めていきたいと思っています。