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2025年12月13日
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【12/5実施】令和7年度 虐待防止委員会主催の虐待防止研修会を開催しました。

12月5日(金)、北斗市総合文化センター かなで~るの大会議室を会場に、ゆうあいの管理職向けの虐待防止委員会主催の研修会を行いました。

 

研修Ⅰ:講演

研修①では、障害者支援施設清流の里(にしおこっぺ福祉会)の中野喜恵施設長(以下、中野施設長という)をお招きして「清流の里の再生活動報告」と題した内容でご講演いただきました。

まず最初に、3年前に清流の里で発生した事案の概要や経過について、ご説明くださいました。その後、①虐待の起きる背景、②立て直しについて「実際の支援」、③清流の里の課題、という項目でお話がありました。中野施設長は清流の里の事案発生当時、はるにれの里のSTP事業部という部署で自閉症支援コンサルタントや国や道の研修講師などをお務めなさっていました。その後、北海道知的障がい福祉協会から派遣される現場の応援職員とともに、立て直しのリーダーとしての任務を担われたとのこと。事案直後の施設は閉鎖的な環境で、施設や支援について何かを知らない職員が大勢を占めていた印象をお持ちになったようです。そのような状態から、立ち直りの道筋をどのように辿ることができたのか。支援技術の側面、職員間のコミニュケーションや職場風土等の側面、組織再構築やマネジメントの側面、人材育成の側面など。事例を交えつつ、さまざまな改善に向けた取り組みについて、リアリティのある内容でお話しいただきました。

不適切な関わりから適切な支援に変わることで、利用者の方々が生き生きとして明るくなっていく。そのことを通して、職員も変わっていく。こうした好循環をもたらすことを可能にした実践内容は、私たち支援者に大きな気づきとヒントをたくさん与えてくれる貴重な学びの機会となりました。参加した職員からの感想をいくつかご紹介します。

「利用者は自分で選んでこの施設を利用しているわけではない。だからこそ、責任を持って必要な支援をしなければならないという言葉が心に刺さった。」

「虐待が起きた施設の状況から、職員の意識や具体的な取り組みの変革に至るリアルな経過を聞けて良かった。」

「『お世話になっているから言えなかった』という保護者の方の想いを聞き、胸が締め付けられる思いがした。」

 

研修Ⅱ:鼎談・意見交換

研修②は、引きつづき中野施設長にご登壇いただいて「虐待が起きる背景から組織的な対応を考える」と題したテーマで鼎談をおこないました。パネリストとして他に、生活介護事業所きらり( NPO法人 地域生活支援ネットワークきらり)の夏目智志支援専門員、当法人の中野伊知郎副理事長、小谷高大総合施設次長にご登壇いただきました。それぞれから意見を述べていただいたり、意見交換、質疑応答などをしました。

中野施設長のご講演内容から「虐待が起きる背景から組織的な対応を考える」ために、パネリストより、いくつかの切り口から深掘りしていただきました。虐待は、いつでも、どこでも、誰にでも起こりうる可能性があります。清流の里における中野施設長を中心とした立て直しのプロセスは、施設に好循環をもたらしました。しかし、当日のスライドにも示されましたが、いくつかの要因(職員個人による因子、組織による因子、制度等による因子、利用者による因子など)が重なって歯車が噛み合わなくなると、容易に悪循環の構図となって虐待リスクや組織崩壊等のリスクが上昇してしまいます。パネリストからは、悪循環に陥らないためのこれらの因子における課題や取り組みなどについて意見交換いただきました。参加した職員からの感想をいくつかご紹介します。

「悪循環の構図について」

「職員が疲弊しないための取り組みと、管理職に求められる視点」

「職員を孤立させない心づかい」

「恥ずかしがらずに職員へ感謝の気持ちを伝えること」

「理念はトップダウン、実践はボトムアップ。人がいれば良いわけではなく、共に成長することが大切」

 

研修の移動日であった前日は、暴風雪に見舞われました。中野施設長と夏目さんにおかれましては、悪天候のなか、遠く道南まで足をお運びいただき、本当にありがとうございました。

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